あのファッションブランドが衣装を担当。クール&スタイリッシュなスパイ映画3選

あのファッションブランドが衣装を担当。クール&スタイリッシュなスパイ映画3選


映画の評価を構成する要素の1つといっても過言ではない衣装。その中でも、ファッショナブルな印象を与えるのがスーツです。2015年は例年よりもスパイ映画の公開が目立ち、ストーリー性はもちろん、ファッションの視点で注目する人も数多く見られました。

そこで今回は、映画の雰囲気を踏まえて用意された衣装やブランドと、その背景に迫ります。

 

英国ファッションにこだわりを見せる「キングスマン」

ブリティッシュなスーツに身を包んだスパイが活躍する作品「キングスマン」は、これまでのスパイ映画の概念を覆すほどの派手なアクションで映画ファンからの支持を獲得した話題作です。

表向きは高級テーラーでありながらも、裏の顔はどこの国にも属さない最強のスパイ機関である「キングスマン」を舞台に、主人公が一人前のエージェントとして成長していく姿を描いたこの作品は、ファッションに強いこだわりが表れている点でも高い評価を得ました。衣装を担当したアリアンヌ・フィリップスは、「英国のスタイルのあらゆる分野を扱うチャンスに恵まれた。衣装をできるだけ英国風に見せることが大切だと思ったわ。キングスマンが着るあらゆる衣装は、どれも100%英国製にした。生地から縫製まで全てね」と語っています。
インタビュー出典:映画.com

この言葉通り、衣装として使用しているスーツとタキシードのデザインは英国発のメンズ専門ラグジュアリー・オンラインショップのミスタ・ポーターとアリアンヌ・フィリップスによるものです。シャツは英国王室でも愛用者の多いターンブル&アッサー、ネクタイはロンドンの代表的なブランドであるドレイクスと、英国に縁のあるブランドが中心となっていることが分かります。

また、キングスマンの表向きの姿である店舗は、実際にあるハンツマンという高級テーラーがモデルとなっています。ハンツマンは数あるブランドの中でも別格扱いの地位を確立している、特別な存在です。丹念なプレスによってできるしっかりとした形や軽い着心地が特徴であるハンツマンのスーツは古き良き英国貴族の魂を尊重しつつ、現在の美意識を追求し続けているのです。

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出典:HUNTSMAN オンラインショップ

フレッドペリーのポロシャツやナイキのスニーカーを好んで着ていた主人公が、いかにして英国の高級ブランドのスーツに身を包むエージェントに成長していくのか……派手なアクションや演出に目が行きがちですが、ファッションの変化に注目するのも面白い作品です。

 

2人の対比が衣装にも表れた「コードネームU.N.C.L.E」

1960年代に人気を博したドラマ、「0011ナポレオン・ソロ」をリメイクした「コードネーム U.N.C.L.E.」。冷戦時を舞台に、米ソ両国のエージェント2人が凶悪なテロ集団に立ち向かうためにコンビを組む物語です。

この作品のポイントは、衣装を担当したジョアンナ・ジョンストンが主人公のエージェント2人の性格をファッションで表現させている点にあります。直感で動くお調子者なCIAのエージェント、ナポレオン・ソロの衣装はイギリスの高級紳士服ブランド、ティモシー・エベレストでスーツを仕立てたと語っています。靴はジョージ・クレバリークロケット&ジョーンズと、こちらもイギリスのブランドで揃えられており、費用をかけてまで外見をおしゃれに演出させようとする性格が窺えます。

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出典:ISETAN MEN’S ブランド紹介ページ

一方で生真面目で融通が利かないKGBのエージェント、クリヤキンの衣装はTVシリーズ時のトレードマークであるタートルネックやスエードのジャケットを使用しています。愛用するレザージャケットはラルフ・ローレンのヴィンテージと、自己主張は強くないものの、さり気ないおしゃれをしているクリヤキン。ファッションからも分かるように、タイプの違う2人は衝突しながらも次第に相手に対する思いが変わっていく過程がより印象的になっています。

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出典:RALPH LAUREN オンラインショップ

2人以外にも、随所に見られるレトロなファッションが目をひく「コードネーム U.N.C.L.E.」で、当時の雰囲気を味わうのも良いですね。

 

「007 シリーズ」から見る、時代と共に移り変わるファッション

スパイ映画の金字塔ともいえる「007」シリーズでは、どのシリーズ作品でも主人公のジェームズ・ボンドは魅力的にスーツを着こなしています。ボンドは英国の国家機関に所属しているという設定があり、初代ボンド役を務めたショーン・コネリーはロンドンのテーラー、アンソニー・シンクレアのスーツを着用していました。

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出典:Anthony Sinclair オンラインショップ

シリーズ第17作「ゴールデン・アイ」から第21作目の「カジノロワイヤル」に至るまでの5作品において、それまでイギリスのテーラーによる伝統的で重厚なスーツに代わり、イタリアのブランド、ブリオーニの軽い素材のスーツが衣装として選ばれることとなりました。

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出典:ブリオーニ オンラインショップ

そこから更に、第22作目の「慰めの報酬」から衣装を担当したのは、アメリカのブランド、トム・フォードでした。ブランド創業者のトム・フォードはグッチのクリエイティブデザイナーの経験を持っており、世界中でグッチのブームを再度巻き起こした人物としても知られています。

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出典:Tom Ford 公式サイト

ブリオーニに引き続き、イギリス以外のブランドがボンドのスーツを提供することとなりましたが、実際に劇中で着ているスーツをよく見ると英国のディティールがポケットや肩先の仕様に残っています。新しさを追求するだけではなく、英国の要素を残しながら時代の最先端のファッションと融合させている衣装という点から新しいファッションの形を示し続けているのです。

 

衣装も映画を楽しむポイントの1つ

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スパイ映画はスーツ姿のキャラクターが多く登場するため、クールでスタイリッシュなイメージを持つ人が多いことでしょう。しかし、ただスーツを着ているのではなく、作品の背景やキャラクターの性格や心情、作中の時代を表す要素としても役立っているのです。

どういった理由からそのスーツ、ブランドを選んでいるのかに注目しながら観るのも、更に作品を楽しむポイントの1つになることでしょう。

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